高ぇ(カントリー娘的感想)
高ぇ(カントリー娘的感想)

図書館に小さな子供と行くのは、一長一短。たくさんの絵本があって楽しみが一杯、自分の借りたい本も探せるという一方、なかなか大人しくはしてくれません。静かにしてくれるようにお願いしても、ほとばしる嬉しさに思わず声を出してしまい……。本棚の迷路から、親を呼ぶ甲高い声が何やら聞こえてきます。

そんなときの救いの空間がおはなしルーム。町の図書館には、おはなしルームがあることが大抵あります。絵本読み聞かせのイベントなどが催される場所ですが、それ以外の時間は大概開放されています。部屋のドアを閉められる場合には、自分の子に読み聞かせをしても、他の人の邪魔にはなりません。
大型絵本や紙芝居の他、赤ちゃん用の絵本(自分で読めないので)などが置いてあります。

先日の日曜に、我が家のmonmonにおはなしルームへ連れ込まれました。さあ大型絵本をお読みなさい、と。
『100かいだてのいえ』です。てっぺんに住んでいる子から、トチくんに招待状が届いて、トチくんが家の中を通りながら上っていきます。見開きで10階分。本の高さはmonmonの背よりもまだまだ高い。

ページを開くと、各階を指差し「これはどこ?」と彼女は尋ねます。
「これはどこ?」
「31階」
「これはどこ?」
「32階」
「これはどこ?」
「33階」
「これはどこ?」
「34階」
「これはどこ?」
……
延々と続きます。絵をじっくり楽しめんのかいな?と思うわけですが、なかなか。
次第に少し様相が変わって、
「どこ昇るのん?」
「ここにうねうねの階段が」
「どこ昇るのん?」
「せやから、ここにうねうねの階段が」
「どこ昇るのん?」
「この筒の中を通って」
「どこ昇るのん?」
……
こっちも割と面倒な。そうこうするうちにまた、
「これはどこ?」
「89階」
「これはどこ?」
「90階」
元に戻りました。しかして、ついに90階。100階まであと少し。てっぺんには何が待っているのでしょうか。
「もういい」
(は?)
ここに至って全力で興味を失われました。さっさと次の絵本に向かうmonmon。あまりに私が欲求不満になったので、子供放っておいて自分で最後までチラ見しましたが。
読み聞かせのテクニックに乏しいと、子供に振り回されっぱなしになるので疲れることこの上ないです。
「次、これ読んでー」
ああ紙芝居ですか、はいはい……。