暗所恐怖症と閉所恐怖症は時折手を繋いでやってくる。
それを心底感じたのは、ベトナムのクチトンネルだ。人が四つ這いでどうにかこうにか通れるトンネル。観光としてたった10メートルばかり通り抜けるだけなのだが、各国の観光者が集まったバスツアーは協調性が皆無だ。トンネルの中で前が詰まっているのに後ろからドンドンと押してくる。暗い、狭い、動けない。すんごい怖い。咄嗟にデジカメのモニターを開いて光を確保したから何とか落ち着いて耐えられたが、本気でやばかった記憶がある。カメラがアナログでなくて良かった。あの時、ビバ!デジタルと心の中で叫んだ……と思う。多分。

両方来たらパニックだけど(また、人にもよるが)、暗くて広いのは映画館、明るくて狭いのは迷路。それぞれが別々ながらも同時に存在しているのはあろうことか映画村だった。そんなこんなで、東映太秦映画村へと旅立ったのだった。
が、しかし、中はたまたまたまたまコスプレイベント真っ最中だった。江戸の雰囲気は一瞬で吹っ飛んだが、二次元的には江戸時代の町並みが似合うべくして集合したコスプレキャラたちだけに仕方ない。志々雄真実が江戸の町中をウキウキ歩いているのも妙な風景だが……。

新選組コスプレもたくさんいて、これはやはり町並みにしっくりきていた。殺戮集団だけど。格好良く撮影されていましたが、しかし、どうせなら沖田総司が盛大に血を吐いている姿とか、殺気立った近藤勇とかの撮影が良かったなぁ。そういうことじゃないんだ、と言われそうな。

でそんなこんなを横目にして、結局、我々が映画村でやったのは『すみっコぐらしかくれんぼ』(すみっコぐらしのオブジェを探す)と立体迷路だった。次女rinrinがそれはそれはすみっコが好きで。まあ、お気に入りは『とんかつ』らしいのだが。江戸の町が全然活きていない気もするが、いろんな目的の人間が混ざり合ってある意味シュールな空間が良かった。ナンセンスな映画のような。にしても、立体迷路てのは、室内にあるとちょっと閉塞感が出て個人的にはいささか落ち着かないもんだ。なお、rinrinは立体迷路デビュー。子の成長は実に速い。中年の体力が落ちる速度に匹敵する。

長女monmonはことわざにいささか嵌っている。なので対抗して、もしもmonmonからメッセージが来たら、私は最近名言で返そうといろいろ思い出している。次は、

今、万感の思いを込めて汽笛が鳴る
今、万感の思いを込めて汽車がゆく
……

劇場版『銀河鉄道999』より

と返そうかなと思っているが、知らない人からするとまるで訳が分からない。まあ、そういう意味不明が人生のどこか先で繋がるもんよ。多分。

という日々の中、私が勝手に図書館から借りた絵本『チンチラカと大男 ジョージアのむかしばなし(作:片山ふえ、絵:スズキ コージ、出版社:BL出版)』をリビングに転がしているが、誰も読んでくれない。異国の昔話にしてはちょっと面白かったんだけどな……。

これはちょっとコスプレとは違う