組上絵と絵本の関係?
先日、『大古事記展』に行ったら、「組上絵(くみあげえ)」なるものが展示されていた。ヤマタノオロチ退治を題材にしたもの。
組上絵は、江戸時代から明治時代にかけて作られたおもちゃの一種で、のりしろの付いた絵を切り抜いて、立てて貼って作るジオラマのようなもの。芝居で使う書割のイメージです。上方の方では立版古(たてばんこ)とも呼ばれていたとか。「組上灯籠」とも。
今のように、贅沢に切り抜き、余った部分は捨てるというのではなく、一枚の紙に無駄なくぎっしりと詰まったパーツを切り抜いて配置すれば、一枚の紙の時には想像もできなかった情景が浮かび上がります。
これは面白いなあ、しかけ絵本の原型かなあと思い、しかけ絵本の歴史とそれとの相関性を、後日tantanに訊ねました。
「知りません」
ああ、そうですか……。
組上絵は、勿論切り取ったら二度と元には戻せないという点でしかけ絵本とは異なるのですが、逆に配置の工夫によっていろんな創造ができます。しかけ絵本の残念なところは、作者の意図した通りにしか動かないこと。絵本の中から飛び出す感じが楽しかったり、手で動かせるのはすごく面白いのですが、遊びの幅にいささか限界が。
いつか、作り手の芸術性を損なわず、かつ自由で創造性のある遊び方ができるしかけ絵本ができればいいなと空想しています。
この組上絵、浮世絵などの昔の題材で幾つか出ているようなので(立版古で表記されていることが多い)、自分の楽しみとしてトライしてみようかな……。現代版の題材もたくさん出てきたら、また面白いかもしれません。
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