『哲学するゾウ フィレモンシワシワ』

作: ミヒャエル・エンデ
絵: ダニエラ・シュジュンスキー
訳: 那須田 淳
出版社: BL出版

何が惹き付けられるって、その名前よ。象の名前として、日本人ならまず付けなさそうな名前。でも奇妙ではない、どこか心地よい響き。

フィレモンシワシワは哲学するのです。不思議と、象の巨体とつぶらな瞳、ゆったりとした動きは、まるで哲学しているように感じさせます。これが、人間だとどうだろう。図体ばかり大きく、小さな目で、ぼーっとしてる人。哲学はむしろしてないんじゃないかと思わせます。人と象は、ある意味対照関係にあります。

彼がどこまで哲学しているのか、それはよくわかりません。が、よくわからないのが哲学ってもんかもしれません。

絵は優しく穏やかですが、細かいところは緻密にも描かれています。ハエの描き方はいかにも海外作品だなあ、という感じ。まあ、絵本にハエを描くこと自体、国内の絵本には少ないですかね。
元来、この絵本のように、絵の具が溶け入る絵肌が私は好きですが、小さな子にはもしかしたら少し物足りないかな??

原作はミヒャエル・エンデ、ネバーエンディングストーリーのエンデなので、ファンタジックな中にも急に現代調の雰囲気が漂ってきます。象とハエとサッカーのワールドカップ。象の野獣的ドリブルか、はたまたハエの超絶的パス回しか。
気になったら、読んでみてください。

哲学するゾウ フィレモンシワシワ