我が娘monmonと近くの温泉に行くことが最近多いです。それは、monmonが大きな風呂が好きというのもありますが、私が好きだからです。何より、公園より自分が楽しめる要素が多いし、時間が潰せるのです。ここのところ、公園の新規開拓やイベント探索をしていないこともあり、我が子を楽しませるネタが尽きている、というのもありました。寒いから風呂入りたい、というのもありました。
しかし、ゆったりと楽しむのは程遠いですね。走り回らないようとか、溺れないように気を付けないといけないですし、湯船に10秒浸かっては次の湯船に行きたがるし、サウナには入れない。楽しいのだが楽しみ切れないジレンマに自分自身悩んでいる日々です。

温泉といっても、たくさんの湯船を楽しもうとすれば、まずはスーパー銭湯になります。普通の銭湯はまず数が少ない。その上に地域の方々に迷惑をかけない入り方が必要で、ちょっと神経を使います。スーパー銭湯は設備も整っているし、安心です。
ただ、スーパー銭湯となると近くにたくさんあるわけではないので、ちょこちょこと近くのローカルな、昔からの温泉施設にも足を延ばします。こうなってくると、近隣の温泉場を探しては突撃訪問するという、まるで巡礼の旅のような気分になります。

さて、スーパー銭湯は『タトゥー、刺青の方お断り』と一般的には掲示されています。必然的に、そういう方々も入られるローカル温泉施設では出会う確率が高くなるわけです。そういったいわゆる『モンモン』の人を見るのは初めての、こちらもmonmon。
「なんであの人、服着てお風呂入ってるん?」
という言葉から始まりました。説明はしにくい。
「服ちゃうねん。描いてはるねん」
「なんで?」
「……」
うちのmonmonは絵を描いたり色を塗ったりするのが好きなものですから、その色彩豊かな『絵』にとても興味をもってそれを凝視します。まあ、幼児のキラッキラとした目で見ているので難儀はないのですが、いささかハラハラして、これもまたちょっと落ち着かない温泉巡りなのです。

思い返すと、絵や色彩に強い興味をもったのも、たくさん絵本を読んでいるおかげかなぁ、と。色彩のみを強く感じることのできる環境は、絵本と花々しかないからです。自然界は実に多彩ですが、青のような発生の少ない色もありますし、パステルのような、水彩絵の具が溶けたような色合いはなかなかないです。花は季節にもよりますし。一方、家庭の方ではプラスチッキーな色合いばかりで、単純明快ではありますが色彩という点では圧倒的に不足していると感じます。テレビやスマホでは、色の再現性が完全ではなく、表面反射のためにテクスチャの表現が苦手です。
絵本は、色彩の要素を上手く抽出して表現できる手法で、凹凸の陰影や金属光沢などの複雑な色合いは少々苦手だけれど、色の面白さを一番掴める気がします。大きくなったら、絵画や写真にバトンタッチ。

実はあまり遠くの遊び場に行けず、近隣の温泉巡礼しているのも、二人目の子どもがやってくるから。目一杯遊びたいmonmonには何かと物足りなさを感じさせてしまっているよう。いささかの寂寥感にも悩んではります。悩ましているなぁ、と思いながらも振り返ってみると幼児に限らず小中高にもそれぞれの時代の悩みがありましたし、会社では会社の悩みがあります。悩み通しです。だから、ずっとずっと悩みながら、色彩豊かな人生を楽しんでもらう他ないですね。

今日、また新しい家族の一員がもう一人、無事にやってきてくれることを願っています。

monmon1
これが温泉を渡り歩くまでに成長しましたよ……