「桃太郎」という落語があります。子供の寝かしつけに、父親が桃太郎のお話を安易に話したところ、そこは今時の子供ですもんで、寝るどころかあべこべに、桃太郎という物語に秘められた教訓を一つひとつじっくりと父親に諭してしまうという、楽しげにも恐ろしい落語です。

先日、我が家のmonmonを私一人で寝かしつけなければならない事態が訪れ、思いつきではありましたが、桃太郎の話を始めてみました。
話し始めてみると、たどたどしいことこの上なし。滑らかに言葉が出てこなくて、抑揚も良くありません。話している側のほうが残念な気分になってきます。日頃、どれだけたくさんの物語を口に出して語っているか、そういう経験がいざという時に生かされます。精進が足りません。

とは言うものの、monmon、最初は話に食らいついてくれました。ちょっと息継ぎをすると「読んでー(つまりは続きを言え、ということ)」とせがみます。
が、桃太郎がいざ旅路に出て、犬・猿・雉をお供にする場面。一気に彼女は醒めてしまいました。どこに・何を・こうしてくれたらこう……などというやり取りは、全く面白くなかったようです。まあ、3歳にはその単調な理解不能のやり取りは、ね。
そういうわけで桃太郎での寝かしつけは失敗。でも少し眠気は誘えたみたいです。今後は、もっとわかりやすい物語を仕込んでおかなければ、と思いつつ、まだ何もしとりゃしません。

そんな彼女ですが、ある日家中の人形を布団に並べて、いっぺんに寝かしつけです。自分はなかなか寝ないのを他所に、自信満々で。これもまたあべこべですな。

nekasi-tuke
パンダの寝相が一番ひどい