おすすめ絵本(番外編):『ほんとのおおきさ動物園[図鑑]』
『ほんとのおおきさ動物園 [図鑑]』
監修: 小宮 輝之
写真: 福田 豊文
厳密に言うと、絵本ではなく、図鑑。図鑑というほど、びっしりとたくさんの種類の動物が掲載されているわけでもないので、『図本』とか『写本』とか言いたいとこだけど、語呂が悪いやら紛らわしいやら。まあ、そんなことは別にどうでもよいのですが。
いろんな動物が本当の大きさで載っている本です。大型本にも関わらず、動物がやたら大きいので、実際は見開きでトラの顔がやっとこさ入るくらい。ゾウなんて目だけね。それでも、動物の大きさを実感できて楽しいのです。おまけに蘊蓄も書いてあって、大人でもほうほうといいながら読んでしまう。
うちのmonmonは、まだほとんど本物の動物を見たことないので、最初はピンとこなかったみたいですが、ちょっとずつ何かわかってきだしたようで、ちょこちょこ反応してくれる。
巷の絵本にはデフォルメされた動物がたくさん出てきます。中にはこれ、ほんまにウサギか???ってのも。赤ちゃんは本物の前に、デフォルメの動物からまず入る。温かみのあるかわいい絵で、それはそれでいいんだけど、それが唯一の基準になっちゃあ困る。リアルな動物からのイマジネーションとクリエイションされた結晶こそがデフォルメ。だから、一度デフォルメされてしまった絵からは、さらに新たなイマジネーションとクリエイションは生まれにくい、と思う。漫画家の西原理恵子さんのような才のある人であれば、デフォルメのその先に、新たなネクストクリエイションはできるけれど、子どもにはちと難しい。
なので、本物の動物の本当の大きさも、子どもには見て欲しいのです。モジャモジャでザラザラで色とりどりの皮膚をもった、生々しい動物の姿を。
この本を見て、それから動物園へ。そしてサファリパークへ。さらにアフリカの大地やボルネオの奥地へ。はたまた知床の白銀の世界へ。自然の姿をじっくりと観察して、感性を磨いて欲しいと願うのです。
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