あつはなつい
ハンディファンがとても一般的になった。朝駅に歩き行く女子高生の何人がもち歩いている。でも、思う。まるでマイクもちながら歩いているみたいだ、と。朝から通学の実況中継でもしとるんかい、と。
そしてまた、ふと、思う。行き交う人全員がマイク(の機能もあるハンディファン)をもって歩いていたら壮麗だな、と。大学受験に歌唱科目があり、昇進試験にプレゼン力科目があり、そうでない人も司会をこなしたり、町内会ののど自慢大会に出たり、やんごとなき事情で声帯模写をする日々が待っている。だから毎日皆が皆マイク片手にぶつぶつ言いながら歩いている。そして、ファン機能も付いているから夏は涼しい。そんな日本の夏の風物詩。幸せは歩いてこない、だから歩いて行くんだね。朝から、私の脳が暑さで暴走しているだけかもしれない。
そんなこととは全く無関係に、ハンディファンも役立たずになりそうな暑さに誘われ、久々のびさびさに海水浴に行ってきた。有名スポットではなかったので、派手さは欠片もなく、それでもやはり何かBGMは流れ、海の家も一軒あった。我が子らには初の海水浴となった。それなりに楽しんでいたような気もするが、プールほど遊具もないわけで、ただ浅瀬に浮かぶのみだった気もする。いや、浮き輪がなければあまり浮かんですらいなかったような。やはり、もっと海で弾けるには、青春が零れ落ちているような若者でなければならぬのか。いや、ここが始まりな気がする。これを皮切りに、いつか世界中のもっともっと美しい海を目指すのだろう。知らんけど。
それにしても長女monmonはもはや絵本を手に取らず、『ネオ里見八犬伝 サトミちゃんちの8男子』なるもはやジャンルが見極められない本を愛読している。元ネタがわかりやすいタイトルが、オリジナルのピリピリ感はまるでなく、何やらプニプニ感しか感じない……とはいえ、こちらの方が面白いかもしれない。今度こっそり読んでみるか。
それはいいとして、絵本は次女rinrin。図書館から借りてきたのは『こんぶのぶーさん(作: 岡田 よしたか、出版社: ブロンズ新社)』。私は正直この作家さんのテイストに乗り切れない。が、子供を惹きつける魅力は実に侮れないのだ。
コメントを残す