人生はもっとゆっくりと。でも、はやぶさ、そんなに速そうでもない。

我が家の子らは双六が好きだ。双六のスイッチを司る遺伝子が一族には存在するのではないかとにわかに思ってしまうくらいだ。まあ、つまりは私と似てるということだ。神経衰弱に比肩するくらいガチで勝ちたがるし。負けたら泣くし。勿論、双六に限らずモノポリーでも人生ゲームでも桃鉄でもいいのだが、牧歌的な懐古的な雰囲気としてはやはり双六が一番だ。金や札が飛び交わないのもまた良し。
しかし、長女monmonは双六を自作するのもまた好きなのだ。これが実はいささか悩ましい。止まったマスごとの任務がキツい。もしも早口言葉を3回言えとか、果物の名前を10個言えとかなら、ほんわかしてていいのだ。モノマネしろとか、面白いこと言えとかいうのは、何ていうか重すぎる。会社の忘年会の新入社員じゃないんだから……。いや、そのシチュエーションは、リアル人生ゲームで嫌なマスに止まった状態。だがもはやそんな時代も平成とともに終わりを告げたのだ。双六の中でだけアナクロな責め苦が続くというのはやめてもらいたい。
玩具としての人生ゲームは……今はそもそも価値観が違いすぎててどうなんだろう。ビジネスで成功!家族がたくさん!高級車を乗り回し……令和育ちはあっさりとマスから退場して行きそうだ。令和の人生ゲームを製作する玩具メーカーの担当者は、いろいろ苦労しているのかもしれない。キャッシュレスでお金もやり取りしないし。仮想通貨暴落なんていうイベントはあるのかもしれないが。苦い記憶が想起されて、大人の方が何だかやるに耐えないな。
ついでにモノポリーについて言っておくと、内容が何だか堅苦しい。個人的にはロンドンのベイカー街を延々回っているような気分になる。

最後はやっぱりへこまわりだ。まわり将棋という呼び名の方がメジャーなのかどうかは知らないが。手の込んだイベント発生が必要なわけでもなく、四つ角に駒が来たら格上に出世(私の家のルールでは)。コツコツコツコツ進んで、成功は全てタイミング次第。たまには抜かれて転ぶし、後ずさりもするけれど、それでもコツコツ、コツコツ。やはりこれこそ人生を映した鏡そのもの。
我が子らにも是非へこまわりの面白さを伝えたい! そう思わずにはいられない。あ、将棋盤が家になかった……。

へこまわりの絵本は検索したけど、なさそう。絵本と言えるかわからないが、長女monmonは『季節をめぐる星座のものがたり 夏(監修:永田 美絵、出版社:汐文社)』を図書館から借りてきた。ロマンがいい。次女rinrinは相変わらず料理絵本を借りているが『ファンファンおもちゃランド(作・絵:はんだ みちこ、出版社:フレーベル館)』ももってきた。このシリーズ、割と好きらしい。が、主人公はもんちゃん。ファンファンって何? 大佐?