タコは宇宙人なのか? 遺伝子が異質なためそんな話があるが、元々高度な知性をもつ宇宙人だったのなら、今海でのほほんと何してんの?ってことになる。どちらかというと、地球に遊びに来てた宇宙人のペットであったような気がする。ある日、ミドリガメよろしく水槽から脱走。特定外来生物として、地球の海洋で繁殖することになるわけだ。さすがに高度知的生命体としては地球の生態系を安易に破壊するわけにいかないわけで、対応策を巡って宇宙人会議は大紛糾する。結論として、毒を以て毒を制すとばかりにもう一種類の特定外来生物『イカ』をバランサーとして追加投入。そして、現代に至るが、イカの無秩序な巨大化(ダイオウ)と極小化(ホタル)現象に、今この瞬間も地球のどこかで頭を悩ましている……というところが真実ではなかろうか。あるいは、タコもイカも長い宇宙の旅路の緊急食料としての役割もあったのかもしれない。奴らは美味すぎるんだ。

そんなことを妄想するのも、ひとえに我が家の長女monmonと次女rinrinがやたらたこ焼きパーティーを好むからだ。しかもタコは入れてくれるなと言う。その仏作って魂入れずみたいな所業にどうもいつも納得いかないのだが、もしかしたら、宇宙レベル特定外来生物への原初的な拒絶反応が彼女らにはあるかもしれない。タコの代わりにウィンナーが入ったりするが、それで意外といけてしまう自分が悲しい。それはウィンナー焼きと呼ぶべきなのか? もっとも、いか焼きは全然別のフォルムだし、ウィンナーが入ろうがナマコが入ろうがたこ焼きと呼んでいい気もする。ただ、日本語がいい加減なだけか。いずれにしろ、最近わかったことはたこ焼きの中身がどうであれ、鰹節が豪華だとたこ焼きはえらくまあご立派に見えるということだ。

我が子らは。monmonは絵本を離れ、児童向け小説にはまりつつある。それも妖怪モノが多いが。小学生と妖怪はどうしてこうシンパシーを感じるのだろう。一方のrinrinは『どうぶつたちのふるのよる(作・絵:ダニエル・サンスーシ、訳:かわらかなえ、出版社:新世研)』の読み聞かせを求めていた。そしてまた『チロヌップのきつね(文・絵:たかはし ひろゆき出版社:金の星社)』も。何だか動物好きになっているのか? 繊細な絵の絵本は個人的には物足りなく感じていた今日この頃だが、そういやここんとこ、奇をてらったものに惹かれ過ぎていた気もする。それは良くない。やはり、たこ焼きにはタコが入っているべきなのだ。

華麗なる鰹節のたこ焼き。されどタコ不在。