我が家の犬が少々えらそうだ。まあ、別にそれが悪いってわけじゃないが、いささか手間がかかる。ドッグフードはカリカリな小粒、あるいはもちもち小粒。パッケージにはいろいろ良きことが書いてあるものの、あんまり楽しそうに食べてはくれない。何か、ふりかけなり具入りのタレ状のものを加えてやらないと手を付けない。ああ~~、贅沢だ。今すぐ放り出してやる!……と思っても癇癪を起こすわけにいかない。一家の主の威厳がやや落ちる。家族に放り出されるのは私かもしれない。
そういうわけで、ふりかけとかちょいとしたおやつ的な物をペットショップで探し求めるこの頃。いや、決して喜んで買いに来てるわけではない。それにしても、だ。犬用なのに『鹿肉』『馬肉』『猪肉』『ラム肉』が所狭しと並ぶとはなんぞ? こっちはトイ・プードル、下克上も甚だしい。猫にだって負けそうなのに。猫パンチ一発で淡路島まで飛んでいきそうな気がする。
しかし、これがまた奴は割と喜んで食べる。あれか、やはり古の狼の血が成せる本能なのか。私はラム肉なんて久しく食べてないのに……あ、馬肉はこないだ食ったな。

そんな折、山の中で何に出会うのが一番怖いって話になり、熊や蛇もやばいがやはり狼だろうってことになった。単独行動より集団で動く奴は恐ろしい。もっとも、夜だったら山中で人間に会ったってめちゃくちゃ怖いが。絵本的には山姥も魔女も森の中に住んでいることだし。人間ももっと森の中で生き抜けるよう強くならなければならない。それは猿からの進化の大転回になってしまうけれども、いつか来るかもしれないトイ・プードルの群狼化を考えれば、やらねばならない。

だが、すぐに山を獣のように跳び回れるわけでもない。したがって、まずはアスレチック制覇である。我が子らはアスレチックが好きで好きでしょうがない。自分の血を継いでいると思う。私は子供の頃から好きだったが、どうもスパイダーマンと忍者ハットリくんの影響を多分に受けた気がする。伊賀野カバ丸にではない。
特に、長女monmonはYouTubeでのアスレチック探求に余念がない。しかし、アスレチック好きさにYouTubeに齧りつくというのは、天津飯を食べに中国へ行くくらい本末転倒だ。カレーライスを食べにインドへ行くくらいズレている。スマホを捨てよ、森に出よう。……捨てないけど。

絵本のこと。次女rinrinがアナ雪絵本の読み聞かせをしてもらっている間に、私は宮沢賢治系を読み直し。『セロ弾きのゴーシュ』は昔ピンと来なかったけど、今はこれはこれでいいかなと思えた。それから『狼森と笊森、盗森』。狼たちは……意外といい奴らだった。そして、東北の山を感じられた。

monmon作:『狼』 (副題)ワニではない
rinrin作:『狼』 (副題)足がエビ