予想もしない展開でやってくるものがある。先日、とある喫茶店へランチを食べに立ち寄った時、自由にもって帰っていいという本が箱にぎっしりと詰まっていた。厳かな推理小説に並んで、中島らもの本が幾つかチラり。もとの所有者はちょっと複雑な感性の人だったのだろうか。まあ、いろんな人の本が箱に集まっていただけかもしれないが。折角なので無論推理小説には目もくれず、中島らもの『変!!』を頂戴することにした。なお、それと合わせてもらったもう一冊は『鏡の国のアリス』だ。益々所有者がよくわからないが、この取り合わせでもっていく人間もどうかとは思う。
そんなわけで中島らも本を久々に読んでいるが、もはや読んでいる感覚としては古典だ。書いてある内容も遠い昔のことのような気がするが、子供に読み聞かせたくない話が実にてんこ盛りだった。しかしそこは『敦』ではない、あくまで『らも』である。たとえ私が身罷った後、私の書棚に残されていたとしても決して読まれることもなく、遺品として有難がられることもなく、メルカリにまとめて売られ、しかも売れず、子供会の廃品回収で消えていくように思う。あるいは、またどこかで数奇な男に拾われるかもしれないが。

予想もしない、というか想像もしなかったことがもう一つ。犬が来た。梅雨と一緒にトイ・プードルが(もっとも梅雨の方はあっという間に去っていったが、犬は残った)。まあ、みんな小さな妹が来たような感覚だ。そう、ハムスターも含め、皆女なんである。なんて素敵にアマゾネスな家。そして、私には懐かない。
そんなこんなでまた一段と家が騒がしくなった。そのうち、私が落ち着けるのは近所の小料理屋だけになってしまいそうな気がする。まあ、小料理屋なんて全然近くにないのだけれど。
はっきり言えば、私にはトイ・プードルは好みの犬種ではない。そして猫派だ。それでもトイ・プードルが来る運命にあったとしか言いようがない。それ故、想定外の成行を潔く受け入れることにする。まあ、それなりにきっと楽しかろう。

長女monmonは宿題で夏の大三角形の観察。雲がちと多いのもあるけれど残念ながら三角しか見えない。各星座や天の川見えないとそれはただの3つの星。ロマンと夢の抜けたもぬけの理科。今年こそ満天の星空を見せねばならぬと誓う。とりあえず決意だけ。

そして、絵本。次女rinrinは近頃『だ~れだだれだ!(作:きむら ゆういち、絵:せべ まさゆき、出版社:小学館) 』や『にゃ?かお!(作:ひらぎ みつえ、出版社:ほるぷ出版)』を引っ張り出してきて読み聞かせろ、と。まさかの低年齢向けしかけ絵本への原点回帰。しかし、アクションがあるとやはり絵本は楽しい。文章少なくて楽だし……。

ダレる