我が家はレガシーなゲーム機に包まれている。最新のは……ちょっと早いかな、と。いや、それよりもコストが。まあ、そんな感じでクラシックミニファミリーコンピュータがあるのだが、シンプルなゲームが多いため、幼き姉妹でも何とかやれている。もっとも専門は『つっぱり大相撲』に『ダウンタウン熱血物語』、『ドクターマリオ』と渋さが光る……。薬カプセルでバイ菌をやっつけていく様を今このタイミングで見ると何だか複雑な気分だ。事実は遊戯よりも厳しい。
それにしても、ドクターマリオ、いろんなところの洗練が足りない気がして、ああ、何だかなと。それを思うとテトリスはさらにシンプルなはずなのに、得も言われぬ美しさがあった。が、単に思い入れとやった回数が多いだけかもしれない。かつて、中学校の旧体育館の二階の物置部屋で、初代ゲームボーイで友人たちと激しく熱く勤しんだテトリス。だがしかし、テトリスはソ連発祥なのだよ……。なんて気持ちを複雑にさせる時代だ。

カプセルといえば街のガチャガチャ(あるいはガチャと称するべきなのか)、愛蔵されている方には申し訳ないが、入っているものがどうも魅力的に感じない。いや、すごくクオリティーの高いものもあるのだが、子供たちは逆にやりたがらない。変に完成しすぎてても妙味には欠けるし。で、そうでないものについては、カプセルを開ける瞬間まではワクワクだが、子供たちですら開けてからものの数分で興味が失われていくような。百円玉が少なくとも2枚とか3枚は要るのもそう感じる原因かもしれない。ずっと給料は上がらないのに……。正直百円1枚の方が結局多額を消費するような気がする。
参拝やおみくじすらバーチャルになり、賽銭を電子マネーでするような時代、リアルワールドのガチャガチャこそ、むしろ奇跡的であって欲しい。例えばどこかの街のひっっっそりと佇むガチャガチャの中に、徳川埋蔵金の在り処の地図が入っているというような。あるいはガチャガチャ本体自体が稀有で、もし出会えば絶大なる幸運をもたらす幻の代物だというような。航空券ガチャ(旅ガチャ)なんてのも出てきたけれど、もっと根底から人生を変えてしまうガチャガチャが存在して欲しい、と思う昨今だ。
そういえば、近頃ガチャガチャ感覚でおみくじを引きたがる長女monmonは、こないだ見事に『凶』を引いた。神様はよう見てはる。

そんなわけもこんなわけもないが、絵本からは遠ざかりつつある日々でそれではいかんと個人的な感覚で『たぬきえもん(再話:藤巻 愛子、絵:田澤 茂、出版社:福音館書店)』を図書館から借りてきた。読み聞かせてはみたものの……うちの姉妹の反応はやや今ひとつ。日本の昔話は講談みたいな、紙芝居みたいな抑揚が効いた語りでやる方が面白そう。そんな技術ないけどね。
もっとも人の名前としてはちょっと不自然で、作為的というか少しあざといなぁ。

竹取物語はやっぱり秀逸