湯船に柚子が浮かんで、なんか季節感が出て実によろしかった。まあ、我が子らは物珍しい黄色い匂いボールとして遊んでくれたよ。そんな彼女らは冬でも部屋の中を裸足で歩く。こいつは見てると何とも季節感がずれて敵わん。もっとも、小学校時代に一年中半袖短パンだった私が言うことでもないが……。

にしても、大人になると冬が寒くていけない。特に2月は駄目だ。大体、1月に新年を迎えてしまうから変に脳が勘違いする。やっぱり新春は春節祭の頃に迎えるべきだ。後出しジャンケンでやってくる2月は殊の外寒い。辛い。厳しい。憎い。春節祭と言えば肉まんだ。豚まんでもいい。でも、あんまんは邪道だと思う。熱い酒饅頭は許せてもあんまんは何故か納得がいかない。肉まんに並んで売られるには、君はあまりに優しすぎる。

あんまんでなくとも、我が子らはあんこを食べやしない。チョコの甘さはいいのにあんこはあかん。分かりやすく言えばカモメとアホウドリの差くらいしかないと思うのだが。分かりにくいか。
このままあんこ勢力が衰退すれば、落語の『ぜんざい公社』なんかクスッとも笑ってくれなくなりそうな気がする。時代に負けて『マリトッツォ公社』とかに変わるんだろうか。その前に公社って何?ってなるわな。現代なら公社よりもホールディングスとでもいうところか。『マリトッツォホールディングス』もはや何言ってるのか分からん。

さて、長女monmonはあまり絵本に興味を示さず……とはいえ物語は好きなようで図書館のおはなし会には喜んでグイグイ参加している。もう少し言葉を覚えれば『十五少年漂流記』くらいは何とか読めそうだ。時折、なぞなぞを出せとうるさい。こういう時のために正直なぞなぞを覚えようとした頃も昔あったのだが、いざとなるとさっっっっぱり思い出せない。格好良くなぞなぞを出せるおじさんになるために、また覚えよう……。『頭の体操』を再び集めようかしらん。
次女rinrinはやっぱりお菓子の本ばかり。『ぎょうれつのできるケーキやさん(作・絵:ふくざわ ゆみこ、出版社:教育画劇)』を読めと。なるほど、ケーキ屋のアナグマの絵は素敵だ、だがこう、アナグマにやっぱり親近感がないのよね。個人的には和風に『ニホンカワウソのおはぎ屋さん』とか『ライチョウのういろう屋さん』の方がしっくりくるのだが、そもそもあんこに興味がなけりゃ読まれもしないか。

そんなこんなで一年は過ぎ行く。

柚子とは何の関係もないネズミ芋