長女monmonの空への憧れが止まらない。基本的には自分で飛びたいらしい。あれだ、ピーターパン症候群だ。いや、全く違う。飛びたい思いは実にわからないでもないのだが、最近重力20倍になってるんじゃないかと思うくらい自分の体が重い私にとっては、飛べる感覚がとても湧いてこない。まず、跳べるようになりたい。

さて、そんな気持ちが高じて、飛行機に乗りたいと言い出したので、初の飛行機旅行に出ることにした。国内一泊二日。自慢じゃないが、北海道だろうと沖縄だろうと、飛行機でプライベートな旅行をするといつも一泊二日。一人パックツアーのごとくに駆けずり回る。海外だとゆったりするのになんでかね。

いざ、飛行機の中。ただでさえ小さくて見えない窓なのに、シートベルトが邪魔をして景色がうまく見れない。そのせいでシートベルトを随分嫌がったが、それ以外はジェットエンジンの騒音にも気圧にも負けることなく、彼女は飛行を楽しんだようだ。ひたすらアップルジュースをCAに要求するのがかなわんかったが。
次女rinrinのギャーつくのが一番心配だったが、飛行機動くとすぐに寝た。轟音が胎内に似ていて懐かしいらしい。ホントかね……。
次の時には飛行機でご飯を食べたいと言い出している。そうなると海外だ。パスポート、長時間飛行、入出国審査……悩ましいことが他にも幾つも出てくるが、何よりあの狭き空間で上手くご飯を食べるのがどれだけ面倒なことか。そこまでしてのご飯クオリティーでもないし。とはいえ、ご飯がやってくるとやはり嬉しくもあるんだが。

そんなこんなの飛行機旅行で着いたのは長崎ハウステンボス。よくもまあ、こんなところにこんな大きな街を作ったもんだ、といささか感心した。長女も「長崎てええとこやねえ」と感激していたが、ちょっと、違う。坂とか路面電車とか夜景とか見て言って欲しかった。いろんな楽しみ方があるので、それぞれの自由行動ができるようになったらもう少し長く滞在したい場所だった。強いて言えば、本当に街に住んでいる人たちなんかがいたら、街のバイタル感が出て良かったかなぁ。

余談だが、長崎空港に着陸する段になって、長女がトイレに行きたいと言い出した。飛行機出るまで我慢をお願いしたが無理そうで、着陸次第通路に溢れた乗客の波を逆走して機内トイレに駆け込んでいた。流し方が分からずにCAにやってもらっていたが、まあ知らないわな。
一方、帰りに伊丹空港に着いた時には少し前に座っていた男の子がやはり同じ境遇のようで、またも逆走して機内トイレにIN。しかしなかなか帰ってこない。席から心配そうに見守っていたご両親だったが、お父さんが思わず、
「あいつ、ババやな!」
大阪に着いたな、ととても実感できた瞬間だった。