strawberry
いちごが赤くない……

狩りと言えばモンスターハンター(ゲーム)を思い出す。大地を駆け巡り、恐竜や怪物を力でねじ伏せる。あるいは、猟師。猪や熊を相手の真剣勝負。
これが「いちご狩り」「ぶどう狩り」「しいたけ狩り」となれば、急にテイストが異なってくる。もっともっと柔らかい感じだ。されど、わずかに残された狩猟民族の血が騒ぐのかどうか知らないが、「いちご狩り」という言葉の中にもハンティング魂をほんの少しくすぐる玄妙な響きを感じてしまう。
かといって、いちごと格闘するわけにいかない。だから、いちごを争奪するべきなのだと思う。見知らぬいろんな人たちが、邪魔にならぬようにと気を使いながらいちごを採取するのではなく、赤目を釣りあいながら「これは私のだ!」「先に見つけたのは私だ!」とデパートのバーゲンセールのような戦いがあってこそ『狩り』と言えよう。故に、例えば我々としても、仲良し女子高生グループとお互い罵倒し合いながら、いちごを掴み取るべきなのだ。これは別に、私が女子高生から罵倒されたい、ということではない。

まあつまりはそういうわけで、パートナーtantan、我が子monmonとばあば、それに私を加えた4人でいちご狩りへと行ってみた。いささか値が張るのだが、楽しみ代、我が子の初体験のためだと思って。若干、いちごの栄養を鬼のように摂取したくなったという私の個人的欲求もあった。
で、いちごを狩っているうちに、エンターテイメント性に少々欠けるなぁ、と感じてしまった。いちごを採取しては食べるという単調な行為だけだと、いささか飽きてくるのだ。味が飽きてくるというのもある。今回、また練乳もってくるのを忘れたし(もち込んでいいのか知らないけど)。聞くところによると練乳を用意してくれるところもあるらしい。
ならば、いっそのこと、いちごの株に沿って、練乳を竹の樋のようなものに流しておき、採取してはちょいと練乳をつけて食べるのは面白くないだろうか。ある意味、ほんまもんのミルキーウェイだ。あるいは、ビニールハウスの真ん中に巨大なたらいのようなものがあり、そこに程よく冷えた練乳がさながら白いにごり湯の温泉のごとくに注がれているという……。勿論、二度漬け禁止で。こういうのがあったらきっと面白いのになぁ、とtantanに言ったら「気持ち悪い」と一蹴されてしまった。そうやね。

初のいちご狩り、monmonはむさぼるように食べるかと思ったが、案外と数は食べなかった。はさみで刈り取るのは楽しんでいたようだが。酸っぱい系のいちごだったので、飽きがくるのが早かったのかもしれない。今度は数種類のいちごが狩れる場所に行ってみたいと思う。
いちご狩りを堪能して帰ってきてから、monmonがいちごの絵本をよく読むように……はさっぱりならなかった(→おすすめ絵本44:『いちごです』)。まあ、まあ別にいいけどね。