あしなが絵本おじさんのジョニー
あしなが絵本おじさんのジョニー

子どもたち向けの絵本には動物が洋服着てたり、椅子に座ってお食事してたり、お話していたりしますね。
今まで、私はそれほど気にしていなかったのですが、「なぜ、擬人化された動物が出てくる絵本が多いのか?」と問われて、考えてみました。

まず動物が登場する点については子どもたちに親しみやすい対象だからですよね(子どもの身近に登場する機会が多いから、そう思い込んでいるのかもしれませんが……)。
人間がたくさん出てくるお話よりも、形、色が違うから識別しやすいし、個性の差が出しやすい。

つまり分かりやすい。

擬人化されているのは、自分たちの生活に近い内容の方が、子どもたちにとってイメージしやすい世界だから。
簡単にいうとそんなところでしょうか?

でも、本当の動物の姿を知っていくにつれてお話の世界はファンタジーなんだと気づいてくるはずなのですがね。

私が保育現場にいた時に「先生、犬は服を着ていないし、喋らない!」と言う子はいなかったことを思うと、実はそこまで違和感は感じていないのではないか。
あるいは、あまりに小さい頃から絵本や教育番組などで擬人化された動物を見てきているため、それほど気にならないのか。
または、お話の世界と現実との違いを自然に受け入れる柔軟性があるのか。
何せ子どもは適応能力が優れていますからね。

教育に携わる人のなかには「動物が擬人化された絵本は見せたくない!!」とおっしゃる方もいますが、現実は擬人化された動物だらけなわけで。

子どもたちは柔らかい頭で、いろいろな世界を楽しめるものすごい力を持っているので、本来の動物の姿が描かれた絵本や図鑑、 そして実物!と見る機会があるともっと良いかと思いますよ。
要は、偏らずに様々なものを見せてあげて~、というところでしょうか。