『やさしいライオン』

作・絵: やなせ たかし
出版社: フレーベル館

本当に本当におすすめの一冊。何度読んでも涙ぐんでしまうのですよね。
アンパンマンの生みの親、やなせたかしさんの作品です。

みなしごライオンの子ブルブルが、母がわりのムクムクという犬に育てられ……。
ライオン、ブルブルはサーカスへと連れていかれてしまいます。親子は離ればなれに。
ある晩のこと、母の子守唄が聞こえたように感じたブルブルは、急いで年老いた母、ムクムクの元に向かいます。しかし……。

ああ、あらすじ書いていても、切ない気持ちになります。
この絵本、昔大人の方にも読んだことがあります。感情って空気を通して伝わるのだ、と感じたことも。絵本の最後のほうで、皆さんの想いが伝わってくるのです。

子どもたちも皆、これを読んでいろんな気持ちになるようです。これからもぜひ、この絵本、沢山の子どもたちに読みたいなと思いますし、読んで欲しいなと思います。
やなせさんの作品と言えばアンパンマン、アニメの印象が強いかもしれません。他にもたくさんのお話を書いておられます。愛情あふれる素敵なお話です。

ブログにお話を書くために、改めて絵をじっくりとみてみましたら、“子ライオンの満たされた気持ち”と“母の子どもをまるごと受けとめて愛する気持ち”が表情によ~く表されているのですね。
やなせさんは子どもの時に両親を失くされています。でも絵を書いている時がとても幸せだったとか。
戦争体験も含め、様々な思い、経験が作品の背景にあるのかと思います。
やなせさんの心のあり方が、きっと絵本を通して伝わってくるのでしょうね。

やさしいライオン (フレーベルのえほん 2)